暗闇から世界が変わる ダイアログ・イン・ザ・ダーク・ジャパンの挑戦 (講談社現代新書) 志村 真介

荻上チキのセッション22を聴いて手にした新書だったが、ラジオではなにも理解していなかった。
DID、ダイアログ・イン・ザ・ダーク。視覚障がい者が案内する「闇の中の対話」。
これはすごい。
日常生活では健常者に手を差し伸べられる視覚障害者が、真っ暗やみの中では逆転、スーパーマンに変わる。
おろおろする健常者をリードする。視覚以外の感覚を研ぎ澄まし、コミュニケーションすることで、新たな考えを持つ。
人生が変わるとも言う。
この新書は、欧州に合ったこの仕組みを日本に持ち込み、常設に持ち込むまでの経緯を創設者が語っている。
常設にした理由の一つに、視覚障害者の自立があるという。
常設であれば彼らは常に仕事があり、頼りにされ、自立できる、という。
そうでないと、イベントが終わったあとは、もとの人の助けを求める人、になってしまうという。
このあたりは重い。
「補助金でなく自分で稼いで買った白い杖は価値が違う」
その通りだと思うが、それは稼ぐ仕組みがあってのこと。
言うは易し、というやつだ。それを実現するための常設。頭が下がる。

HPはこれ。
http://www.dialoginthedark.com/

行ってみたいが、見知らぬ人とのコミュニケーションがおっくう、という思いもちょっと。
外苑前。場所はいい。
企業研修にも使うという。上司部下、肩書がない世界。
末期がん、あと一週間の命という人が参加して、すべてから解放され、一週間後に実際に息を引き取ったという事例。

そこには何かがある。

暗闇という漢字には両方とも「音」がある、というのも興味深い。

(目次)
第1章 ダイアログ・イン・ザ・ダークとの衝撃の出会い
第2章 開催まで。六年半の試行錯誤
第3章 日本版、走り出す
第4章 見えているもの、見えていないもの
第5章 大規模開催から常設化を決心する
第6章 常設化への壁
第7章 常設化。どん底からの再出発
第8章 価値を転換させる装置
第9章 一休みして考えた


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