ありがとうもごめんなさいもいらない森の民と暮らして人類学者が考えたこと 奥野 克巳 ニーチェ!

ボルネオ島の狩猟採集民「プナン」と一緒に生活しながら、
人間の本質を追及している、なかなか深い本。
冒頭出てくるのは糞尿、屁、勃起と、生々しいが、
これこそが人間の原点。
食べること、分け与えること、犬との関係、収穫物への態度、
人間が自然の中で本来持っていたものを思い出させる。

生物は進化に従って、ため込むことを覚えた。
最初は口から入れ口から排泄、それが次第に肛門を持ち、内臓を持ち、丸呑みし、貯め込めるように。
さらに人間は体外にため込むことを覚えた。保存。さらには貨幣で!
ここでひっかかった。
そうか、貨幣というのは究極の既得権益なのだと。
自分の食べる権利を貨幣に変えて、保存しておいて、後から食べるのだと。
貨幣が退蔵すると食べ物が腐るのだ。だから経済が停滞する。
もつもの持たざる者がいるが、食べ物が腐りさえしなければ、経済は回る。
いざとなればハイパーインフレでもつ者の価値が無くなり帳消しにすればいいのだ。

こうなるとハイパーインフレしかないと思う。

あ、話が大きくそれました。
ブナンの皆さんはそういう世界からは無縁。
でも著者と一緒にいて、著者にたかる人が大勢いたと。
「病院に行くから貸して」
でもこの世界、持ってるものが持たざる者に分け与えるのは当たり前。
貸す返すではない。持ったときにあげる。それだけ。
著者は苦しかったようだ。

彼らは生きる意味など考えない。
だから自由に動く。
反省も感謝もしない。
それで何が困る。

原点に立ち返るのもいいな。

はじめに
1 生きるために食べる
2 朝の屁祭り
3 反省しないで生きる
4 熱帯の贈与論
5 森のロレックス
6 ふたつの勃起考
7 慾を捨てよ、とプナンは言った
8 死者を悼むいくつかのやり方
9 子育てはみなで
10 学校に行かない子どもたち
11 アナキズム以前のアナキズム
12 ないことの火急なる不穏
13 倫理以前、最古の明敏
14 アホ犬の末裔、ペットの野望
15 走りまわるヤマアラシ、人間どもの現実
16 リーフモンキー鳥と、リーフモンキーと、人間と
おわりに――熱帯のニーチェたち
参考文献


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