ツボに嵌った! 四〇〇万企業が哭いている ドキュメント検察が会社を踏み潰した日 石塚 健司

検察
税金・役人・銀行
オーナー企業
粉飾決算

私の日ごろの関心事が満載で、ツボに嵌った。
タイトルにあるように、検察の横暴が会社を潰す内容だろうと理解して入手、読み始めた。

数年前から

公認会計士vs特捜検察
暴走検察
特捜神話の終焉
検察崩壊 失われた正義
反乱(鈴木宗男)
かもめが翔んだ日(江副浩正)

などなど、検察本を何冊も読み、小沢代議士陸山会事件や厚生省村木さんの冤罪、リクルート、田中角栄氏、、、
正義の味方と信じてきた賢察の全く違う一面を見せつけられてきた。
無論、検察にやり込められた人々の意趣返しと見て、まともに取り合わないことも可能だ。
しかし自分なりに考えれば、これらは検察のやりすぎという判断になった。
子供の時から優等生で、正解にたどり着くのが生きがいで、なおかつ自分は正義感の塊と信じているような人種である高級官僚
(これはこれで明らかに色眼鏡であり、反論される方は多いであろうが)である検察官が、
上司の作ったシナリオを完成させるため、つまり100点満点を取るために、「悪い」ときめつけられたものを国家権力を使い追求する。
チェック機能であるべきマスコミを味方に取り付け、怖いものなしの状態で、裸の市民を痛めつける。
それが国会議員であろうと、新進気鋭の起業家であろうと、目立ち、敵が増え、国民から妬まれ出すと、
少しでもぼろが出れば容赦なくたたく。さらに言えば自分たちの既得権益システムを脅かそうとする田中、小沢らは政治生命を断つまで
闘う。
そんな集団、というイメージを持っている。
無論良識ある人も中にはいようが、集団、組織、システムとなると、どうにもとまらない。

今回も「粉飾決算で税金が原資の震災復興資金を詐欺して借入れる悪徳コンサルと事業主」というシナリオを作り、
そうではない状況証拠が揃っているのに、自白を切張して調書をねつ造する検察。

これだけでもこの本の価値は十分なのだが、おまけがついている。

今回検察に踏みにじられたのは中小企業。四百万企業とはそのことを指している。
多くの企業が粉飾をしているという。私の友人もそうだ。銀行から金を借りるためには利益を出さなくてはいけない。
なんじゃそりゃ?銀行ってそんな単純なものか?馬鹿なものか?
そんなもののために税金を投入したりしてるのか?
竹中氏がそういう仕組みを入れたという。金融庁。もはや存在意義のない金融庁。
「債務超過企業はすべてつぶれていい」優秀な官僚様にいわせればそういうことになる。
私も一瞬そう思ったことも有る。が、そんなわけはない。それで100万の企業がつぶれる。
日本を支えているのは大企業ではなく中小企業だ。
最近その思いを強くしている。無責任なサラリーマンではダメ。起業家こそ日本を救う。
その起業家の多くは中小零細。債務超過になっても銀行が手を差し伸べれば生きながらえ、発展するところはたくさんある。
この本の会社もそうだったかもしれない。
なのに、、。
馬鹿な官僚が、、。
国民から集めた金で動いているのに、国家権力の名の下、自分はぬくぬくと(それぞれ厳しいとは思うが比較の問題)
安定した場所で働きながら、資金繰りに苦しみ弱者と化した起業家を弄ぶ役人、さらに銀行員。

亀井大臣のモラトリアムがあながち失政と思えなくなる。

要するに私は、既得権益に群がり、既得権益を護るために、裸一貫で勝負しようとする人を邪魔する輩が嫌いなのだ。

私は、人というのはそもそも新しい発明、しくみなどによって他の人に便益を与えることでその見返りを得るものだと言う前提に立っている。

発明や仕組みの考案でなくても、前人が作った荒削りな仕組みを改良完成させ、より多くの人に便益を与えるでもいい。
とにかく他の人に役立つことが出来て初めて報酬を得るのが原則のはずだ。
つまり、新事業を始める起業家、その起業家のアイデアを定着させる大番頭、そういったひとは報酬を得ていい。
岩崎弥太郎やら盛田さんやら本田さんやらは発明家だし、井深さんや藤沢さんは組織を作った。彼らは報酬を得ていい。

しかし、彼らによって組織が既得権益化されていくと、あとからそこに入ったものは、
自らは新たな発明、改良をせず、むしろそこに寄生する。いわゆるサラリーマンだ。
ソニーの凋落はまさにそこにある。出井さんやストリンガーさんが給料以上の働きをしたとだれが言うだろうか。

学生時代に必死に勉強して、一流大学に入って、一流企業に入って、既得権益を得る。これが定着したのが今の日本の停滞の理由だろう。
必死に勉強するのは結構なことだが、人の役に立つためではなく、既得権益の傘に入ることが目的となってしまっている。
これでは国が伸びるわけがない。
きれいごとと言われようがそれは事実だ。
もちろん起業家、発明家が国のために動いているわけではない。しかし、発明、起業は結果的に国のためになる。経済とはそういうものだ。
そこからはずれた考えを持つ人々が増えて、日本がダメになる。

その最たるものが官僚だ。
明治維新のころ、徳川幕藩体制で不遇をかこっていた下級武士や商人や農民が、ペリー来航に始まる国際脅威、日本の危機に立ち上がり、
ドイツの政治を模した明治政府を作った。
彼らは称賛されていい。一定の報酬を得ていい。中には坂本竜馬のようにそれすら得ずに死んでいったものが多いが。
それが明治政府もある程度固まってくると既得権益が生まれる。なにより国民の税金を集め、大量の資金を扱える。
日露戦争では人の命も預かり、二百三高地での作戦の失敗から多くの犠牲をも生んだ。
さらに昭和16年にはシミュレーションで敗戦がわかっていたはずの米国との戦争に突入した。政治家、軍隊という名の官僚双方ブレーキが利かなかった。

戦後焼け野原になり、戦中の指導者がパージされたのち、日本復興のために立ち上がった際の若き官僚の働きは称賛されるものであったろう。
国力を一定産業に集中し、米国追従で見事に高度経済成長を果たした。この時の日本のシステムは世界最高だったのだろう。もちろん朝鮮戦争特需など運はあったが。
石油ショックも同様に乗り越え、日本の官民タッグになってのシステムは完ぺきに見えた。

しかしここに隙、油断が生じた。官僚システムは既得権益化し、また硬直化した。米国に従うことが唯一の正解となり、
東大卒の優秀な頭脳が省内システムを完璧にこなすことに使われた。
組織拡大、予算=税金獲得、民間に対する影響力保持、成長期には効果のあったこれらのシステムが、低成長時代にはすべて逆に回り始めた。
新しく事業を始めようとするものに規制をかけ、既に権益を得ている大企業を優遇し、結果民間経済の力を削いだ。
それどころか、補助金ばらまき、財団法人設立、天下り先確保など、当時はおまけだったものが主体、主目的になった。

こういったことが相まって、今回の本に嵌ったのだ。

人の役に立つために起業家が立ち上げたビジネス、赤字で苦しんでいるが銀行が資金投入すれば回り出すビジネスを、
「赤字企業には貸さない」というありえない基準、規制を役人が作り、銀行に押し付け、起業家に押し付け、
その規制を逃れるために起業家がやむなく粉飾をすれば、
その粉飾した企業を自分たちの組織の存在意義のために検挙する。

歪んでいる、というか狂っている。

しかし自分もオーナー社長のベンチャー会社の傘下にいるサラリーマン。
せめてこのベンチャーの課題を解決する役回りをして役に立とうぞ!




この記事へのコメント

この記事へのトラックバック