体制維新――大阪都 橋下 徹, 堺屋 太一 文春新書

大前研一氏が10年以上唱え続ける道州制を具現化すべく、
元大阪府知事、現大阪市長+日本維新の会代表の橋下徹氏が権力闘争を国に仕掛けている。
その原点をこの本で確認した。

基本的な考えは道州制の理念そのものとみたが、
それを実現するための最初の一歩を大阪で始めようというのが着眼点の凄いところだと認識した。

ニュースを通じて、大阪市と大阪府の二重行政は無駄だから、、というところまでは知っていたが、
やはりじっくり調べないとわからない、特に東京の常識があると見えないところをこの本は教えてくれた。

大阪府民880万人、大阪市民260万人。大阪府は620万人の不眠にしか影響力が持てない。
ただ、この620万人には43の市ががあって、10万―20万人単位の基礎自治体があり、公共サービスを提供している。
ところが大阪市260万人は実質これが最小単位。区は24あっても公務員が2年交代で区長を務めるだけ、
予算は年間2億、うち1億は実質市の裁量ということで、機能していないという。東京23区とは意味が違うという。

橋下氏はここをつく。260万というのは基礎自治体としては大きすぎ、統治機能としては小さすぎると。
大阪都を作って880万全体を見、基礎自治体は現状の43市と、大阪市24区を9区に再編し、公選で区長を選び自治をさせるべし、
といっている。

これだと単なる大阪改革であって、道州制には程遠いようだが、
橋下氏は、これを起爆剤として、統治システムを変えたいといっている。
その時々に合った形にシステムを変える、という成功事例をつくることが大事だと。
たしかに、官僚は今のシステムを守るために存在しているので、どうあっても維持しようとする。
ましてそこに既得権益があればそこに群がる組織も同様の動きをする。
情けないことに一部の?多くの?政治家も同じ動きをする。官僚出身で、官僚組織べったりの政治家も多い。
選挙民の代表である政治家が仕組み自体をかえずして誰が世の中を変えるか、ということだ。
既に世界に置いてきぼりにされつつある日本、ここで仕組みを変えなければますます取り残される。

ついでに橋下氏は東京のバックアップ機能としての大阪発展のための大阪都、という意識ももっているようだ。
震災等で都市の脆弱性が明らかになった今日、この考えは必要だろう。
道州制においても東京一極集中は百害あって一利なしだ。

最近の日本維新の会での言動は必ずしも共感が持てるものではない部分はあるが、
この本に書かれている内容は、大前さんの志を体現するものとして、評価したい。

でも来たる選挙で日本維新の会に入れるかどうかはまだ考慮中ですので念のため。


第1章 大阪の衰退、日本の衰退(堺屋太一)
第2章 なぜ「大阪都」が必要か―対談1(橋下徹×堺屋太一)
第3章 改革と権力闘争―都構想1(橋下徹)
第4章 「独裁」マネジメントの実相―都構想2(橋下徹)
第5章 「鉄のトライアングル」を打ち破れ―都構想3(橋下徹)
第6章 大阪から日本を変えよう―対談2(橋下徹×堺屋太一)
体制維新――大阪都 (文春新書)
文藝春秋
橋下 徹

amazon.co.jpで買う
Amazonアソシエイト by 体制維新――大阪都 (文春新書) の詳しい情報を見る / ウェブリブログ商品ポータル


この記事へのコメント

この記事へのトラックバック